Google Workspace環境で退職者宛のメールを効率的に引き継ぐ体制を構築

Google Workspace環境で退職者宛のメールを効率的に引き継ぐ体制を構築

情シス
Google Workspace

概要

Google Workspaceを利用している組織で、退職者が利用していたメールアドレスへのメールを適切に引き継ぐための体制を構築しました。

目的

退職者が利用していたメールアドレスで外部のSaaS等にアカウントを作成していたり、重要なメーリングリストに登録していたりするケースがあり、これらの設定を適切に他の従業員に切り替えられるようにすることを目指しました。

実施作業

  1. メールアドレスの変更
    • 退職者が利用していたメールアドレスと同じメールアドレスを持つGoogle Groupを作ることで、退職者へのメールを残った従業員で確認可能にする方針としたため、退職者が使っていたGoogleアカウントのメールアドレスに接尾辞を追加することで重複しないようにしました。
  2. 退職者がログインできないように設定を調整
    • 必要作業が完了するまでアカウントを残すために、退職者が退職日後もログインできてしまわないように全てのセッションの削除、パスワードの変更、予備のメールアドレスの削除などを行いました。
  3. 退職者宛のメールを受信するためのメーリングリストを作成
    • 退職者宛のメールを受信するためのメーリングリストを作成し、引き継ぎ担当者をメンバーとして追加しました。
  4. 退職者宛のメールに必要な対応を行うタスクを従業員に割り当て
    • 退職者宛のメールに対し、送信先を適切なメールアドレスに変更したり、必要に応じてブロックしたりするタスクを作成し、従業員に割り当てました。

本支援の結果

以前の退職者対応では、退職者が使っていたメールアドレスへのメールを、Google WorkspaceのGmailのルーティング機能を使って従業員全員が受信可能なメールアドレスに転送する形を取っていました。

一方この方針だと、以下の問題点がありました。

  1. 退職者が使っていたメールアドレスへのメールが多い場合に、対応担当ではない従業員にも通知が送信されて業務を妨げてしまう
  2. 特定のメールアドレスからのメールをブロックする機能がない

Googleグループを使ってメールアドレスを維持することで、必要なメンバーのみに転送したり、特定の送信者をブロックしたりすることができるようになり、引き継ぎのための体制が改善できました。

所感

情シス担当が不在の組織では、これらの退職者発生時のIT周りの対応が体系化できていなかったり、従業員が社用のメールアドレスを一部個人的に使ってしまっていたりという状況が発生しがちです。

退職後会社のメールアドレスにアクセスできなくなったにも関わらず引き続きプライベートのサービスからのメールが社内に届いてしまうことで、個人情報が意図せず前職に通知され続けたり、アカウントを復旧する術がなくなってしまったりします。

退職者が出たタイミングでバタバタしてしまわないよう、できるだけ早めに問題のある状況を解消していくことが重要と考えています。